第1章 「あべさだはる」との出会い

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 (…早く着いて!!!)  私は必死にお願いする。   福岡の香椎台高校2年在籍の私、森山千里は今まさに、現在進行形でち、痴漢にあっている最中なのですっっ!!  「(千里、あと7分よ!それまで我慢!!)」      幼なじみで親友の木下優希子が、自分もまた被害にあっているにも関わらず励ましてくれてるんだけど、な、7分なんて…神様ひどいよ…  3分後、電車が止まりたくさんの人が乗ってきた。私にとってはまさに最悪な4分間の始まりだ。私は不安になってゆきの制服をつかんだ。 「あれ、のぞみじゃん。久しぶりだな~ あいかも。中学卒業ぶりだっけ?」  突然背後から声がして、驚いた私たちは後ろを振り向いた。  そこにはさっきまでいた中年痴漢男ではなく、私たちと同年代ぐらいの青年がいた。 「しっかし、よくこんなに人がいる中で性欲を満たそうとか思えるよな。そんなに満たしたいなら便所でオナってくればいいのにさ~ 女性を狙ってやるなんてこりゃ逮捕もんだよ。あ、もう立派な犯罪してしまってるから逮捕されちゃうか(笑)やばいね、おっさん♪」  青年はそう言い終わると、高々と左手を掲げた。
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