喰われる

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喰われる、と思った。 何もかも貪られ、細胞の一つもこの世に残されず、消え去ってしまうと。 けれど、それはそれでいいのかもしれない。 遺したいものなど微塵もない自分には、綺麗な終わり方なのかもしれない。 幸福は、案外そんなものなのだと。
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