一章 出会い

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(延滞料金4000円になります) 俺は千円札4枚をクシャクシャに握りしめ渡しビデオ屋さんを後にし世界で一番無駄なお金を払いタバコを吸っていた。 メンソールのカプセルを潰し車で曲を選択し車を走らせた。 今流行りの安室奈美恵の歌を聞きながら走っていると音楽が止まり携帯の着信がなった。 (もしもし?航?仕事の面接どうだった?) 電話の相手は優人だった。 当然俺は面接などは行かずパチンコを打ちに行っていた。 (ごめん、行かないでパチンコやりにいってた笑 面接やっぱ違うとこにするわ) この言葉を200回は言っただろう。 行くのが怖いかめんどくさいかどちらとも当てはまるが仕事を辞めたばかり今はパチンコに通いゲオに行き海外ドラマを借り家族の声を遮断し部屋にこもるのが日課だ。 この世にありふているニートの気持ちは何となく分かっている。 (明日やろうは馬鹿野郎) その通りだが逃げる奴はクソ野郎。 この言葉も200回くらい聞いた言葉だ。 (まぁ、焦らないでまだ時間はあるからゆっくり考えるといいさ。大丈夫だよ!元気出せよ) 名前の通り優しい人なのは間違いない。 昔から仲が良く俺が失敗しても助けてくれ逃げだした時も支えてくれた。 いつか恩は返さないといけない。 それに優人は俺の家族と仲が良く毎日と言っていいほど家に来てご飯を食べ遊びに来る。 その度ばあちゃんと母さんには説教されるがまだ俺にも頑張れると思わせてくれる人なのだ。 そして今日も変わらず一日が終わりまた一日が過ぎこのままいくと人生が終わってしまうほど日にちが経っていった。 何もしないままポカーンと夜が訪れ今日も俺の一日は始まった。 と思っていたがその日は不思議な天気だった。 外の風はいつもより肌寒く嫌な予感がした。 昔からあるその予感は必ず的中する。 携帯電話がなり優人かと思うと警察官だった。 (菊地航さんの携帯電話で間違いないですか?妹さんが殺害されました。)
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