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同じ目的地である僕の家に着き僕はふろを沸かす準備をしようとした。
「いや、風呂まで沸かす必要はねえよシャワーだけで十分だ」
「遠慮しないでくださいせっかく来たんですから」
僕は準備に戻り風呂を沸かした。
「風呂、沸きましたんで入っててください」
「な、なあ本当におめえさんなんもねえんだろうな?」
「大丈夫ですよ」
僕は不安気になってるおじさんに笑顔を向けた。
おじさんの不安が和らぐように。
「じゃ、じゃあつかわせてもらうぞ」
まだ不安そうである。どうやら自分が向けた笑顔の効果はあまりないようだ。
僕はおじさんが風呂を浴びている間に朝食づくりに取り掛かった。
もちろんおじさんの分も作ろうと思うせっかくこの家に呼んだのだ。サプライズである。
僕は簡単に食パンにピザソースを塗りその上にベーコンとチーズを盛り付けてトースターに入れる最近このなんちゃってピザにはまっている。焼きあがるまでに時間があったので、僕はフライパンで目玉焼きを作る。
そうこうしているうちにおじさんが風呂からあがってきた。
「いい湯だったありがとよもう帰るぞ」
「おじさん待って、朝ごはん食べてきなよ」
「おじさんいうな後藤 俊明(ごとう としあき)だおめえさんは?」
「僕は安田 亮(やすだ りょう)です、おじ・・後藤さん食べていってくださいせっかく作ったんで」
「おい、おじさんって今言いかけただろ、まあわかった食べてくよ」
良かった。帰るといわれなくてこの量は一人では食べきれない。
「いただきます」
「・・・いただく」
僕と後藤さんは朝食を食べる。
「う、ぅう゛」
すると後藤さんは急に泣きだした。
ただのなんちゃってピザと目玉焼きだというのにそれほどおいしかったのだろうか
「あの、大丈夫ですか?」
「すまねえあまりにも久しぶりに人の手料理食べたもんだからよ、なああんたなんでこんなにもしてくれんだよ」
「なんでって困ってたからですよ」
「困ってた、から?」
後藤さんは泣きじゃくりながらも家に呼んだ時のきょとんとした顔をする。
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