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「きよって呼んでいいよ」
「へえ? 誰にも呼ばせなかったのに。もしや俺だけ特別ってこと?」
「これからはみんなに呼ばせる」
「え、そういうこと?」
だけど、我が儘を言ってもいいだろうか。
「〝セイ〟のことも忘れないで」
早見が何を感じたのか、キヨにはわからなかった。しかし早見は、今度は茶化すこともなく何も言わずに頷いてくれた。
それから一緒にキヨの自宅に帰り、母と父にはこってりと叱られた。早見はかばってくれなくて、それどころか小声で「もっと怒られろ、ばーか」などとニヤニヤして言ってきた。それに「うるさい」と返せば、「お世話になったのに何その態度は!」と母にまた怒られた。
翌日から、きちんと授業を聞くようになって、担任も呼び出しを無視して帰ったことは大目に見てくれた。
自分の興味のあること、好きなこと、苦手なこと、得意なこと。見つめ直そうと思った。
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