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 酔いが急速に冷め、羞恥心が湧き上がる。  足を止めてしまわなければよかったと後悔した。酔っ払っているふりをして通り過ぎればよかったと。  しかしそもそも、そこにいる人間は椎木を見ていなかった。聞こえていなかっただろうかとほっとした。近づいて、相手が十代半ばほどの少年であることに気がついた。  こんな時間に、こんなところで何をしているのだろう。通り過ぎていく車を、ただただ無表情で見下ろしている。 「こんな時間に散歩は危ないよ」  まさか自殺しようとしているなどとは思いたくないが、少年の感情の宿らない横顔が気になって声をかけた。  びくりと肩を振るわせた少年が、こちらを向く。  ──綺麗な少年だった。
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