エブリデイ・エブリワーカーズ

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確かに、契約内容に誤りがあったなら、それはこちらの不備でしょう。ですがこの件に関しては私たち死神に不備はありませんでした。 人間の罪は天使側が調べるものであり、私たち死神はその罪の重さに応じて魂を狩るか否かを決めます。ですから、今回は天使側の仕事ミスが原因なので、私たち死神は悪くないのです。 なのに、あの天使ときたら……面と、私に向かってこう言ったのです。 『魂が狩られなくてよかった。これで、この方も極楽浄土へ旅立てる。あなたも、この方の魂の安寧をお祈りしてください』 それは側から聞けば優しく心洗われる発言のように思えますが、死神として働いている私からしてみると、遥か上空から見下されたまま、嘲笑われているように思ったのです。 いいですか。勘違いしないでください。 死神は好きで魂を狩っているのではありません。天使が救いきれない分の魂を狩る仕事だから、狩るのです。 誰だって、人間の魂を救い、極楽浄土へ届けてあげたいに決まっているではありませんか。誰がこんな汚れ仕事を請け負いたいと思うのですか。 それなのに、狩られなくてよかった、だ、あなたもお祈りしてください、だ。 こっちにも仕事のノルマがあるんです。そちらの都合や思想を押し付けないでください。 いつだってそうです。天使は神聖なものとして扱われますが、死神はカビの生えたパンのように汚く、連続殺人鬼のように悪い存在だと扱われるのです。人間が作ったゲームの中で、何度私たち死神が敵役として倒されたことか。たまに天使を悪役として登場させますが、大抵は死神やら悪魔やらに乗っ取られていたという設定を付け足して……。 もう耐えられません。死神なんて辞めます。 そう叫んで、あの忌々しい青空に鎌を投げ捨ててしまおうとしましたが、死神の大事な商売道具に傷をつけては後々面倒なので、地団駄を踏むだけに留めておきました。 天使が憎い。天使たちのことが恨めしいです。 天使たちは、正義感をもって良い気分で仕事をしているのに、私たちは罪悪感をもって悪い気分で仕事をしています。 生まれ変わったら、絶対天使になってやります。 拭えぬ天使への嫉妬心を滲ませて、私はそう誓いました。
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