エブリデイ・エブリワーカーズ

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聞き覚えのある声が聞こえました。 私は、はっ、と右方向を向きました。声がした右方向にいたのは、紫色の髪にライダースジャケットを着た、二十代の女性。派手な格好をしていますが、表情はそれに伴っておらず、顔だけだと大人しいように見えました。 向こうも、私のことに気付いたようで、まじまじと私の姿を上から下まで見ると、途端に赤面して慌て始めました。 「あ、えっと……」 間違いありません。彼女は、今朝、私の仕事を白紙に変えた天使です。しかも、天使なのに悪そうな格好をしています。 でもそれどころではありません。 「え、えっと……」 何故なら私の今日の服装も、天使が着ているような白のワンピースだったからです。 これでは、仕事上では悪そうな格好をしているのに、実は可愛い系の格好が好きなんだ、と公言しているようなもので、途轍もなく恥ずかしいです。 「……あんた今日の朝会ったろ?」 「は、はい、えっと、お会いしましたね……」 「だ、だよな……な、なんでこんなとこで飲んでるの? 死神なのに、何か嫌なこととかあんの?」 「そ、それはこちらの台詞ですよ。あなたは天使で嫌なことなんてないように思えるので、一人でお酒を飲むのはおかしいです」 「あぁん? 何だよそれ?」
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