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例えば、私が当時聞かされた口裂け女の話の概要はこうです。
後ろから肩を叩かれ、つられて振り向くと鋭利なもので口元を斬られ「ねえ、私きれい?」と意地悪げに聞く女性が立っており、いやらしく笑った女の口が見る間に耳まで裂ける。
このときベッコウ飴を持っていれば命は助かり、持っていないとどこかへ連れて行かれる。
肩を叩かれても振り返らず「ポマード」と3回いうといなくなる。
あとはここに先ほどの手に鎌や足が速い、日常生活をおくるためマスクをしている、犬に弱いなど、話す人によって内容に少し変化がありました。
しかし、実際のところ周りではそれほど口裂け女を怖がる風潮はなく。また、コート姿に赤いハイヒールの女性もそれほど怖い話として広まってはいませんでした。
というのも、女性が立つという交差点へとつづく通りは国道と隣接していたため、大型トラックの仮眠場所として有名でした。
夕方ごろになるとトラックが集まり出しエンジンをかけたまま朝まで駐車が日常で、こんな環境では噂話の噂も出てこない有り様で滅多に話題になるようなものではありませんでした。
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