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今日も綺麗に化粧をした彼女はいつものように僕を抱き寄せるとそのまま玄関へ向かう。
そしてキスをする。
僕ではなくて
ヤツと………ムカつく。
「行ってくる。」
タクローは彼女にそう言うと今度は僕の耳元で
「俺の留守中に勝手な事するなよ。」
って言うとドアを軽々開けて出て行った。
その瞬間、もう二度と帰ってくるなってついつい憎まれ口を叩いてしまう。
ーーーうるせー!!
ドアの向こうからヤツの声がする。
チッ、地獄耳が。
彼女は前みたいに【カイシャ】という所には行かなくて良いらしい。
ある時、タクローに永久就職したんだよ、これからは三人で暮らすんだよって彼女は嬉しそうに僕に話した。
なんとなく僕にとっては面白くない話だなと思ったけど、そう言った彼女の顔がとても綺麗だったから嬉しくてこれからは少しくらいタクローにも優しくしてやろうって思う事にした。
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