Marriage Blue(前編)

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「誉さん、ここ、シャツの上からも凄く勃ってる……」 「――っひぅ…!」  藪中が私の両胸の突起をシャツ越しに擦り摘まむと、ダイレクトに屹立部分に刺激が伝わった。  硬起した物はピクピクと下着の中で震え始め、今まで何度も、藪中の滾った雄を受け入れた蕾が淫らに収縮するのがわかった。  なんて浅ましい身体だろうかと激しい羞恥が襲う。昨夜、あれほどまでに藪中と交わっても、この淫欲はすぐに目覚め、彼を求めてやまないのだ。  番関係を結んだアルファとオメガのセックスは、凄まじいほどの快楽が生じると文献や書籍にも書かれていたが、自分自身が発情期を迎えるまでは、どこか信じられずにいた。   しかし、それは見事に覆され、藪中との交わりは、全てを壊す勢いの甘美な快楽で、私の心も身体も凌駕するのだ。 「誉さん? いいよね?」 「……っ……ん」 雄の欲を剥き出しで、それでいて、どこか色っぽく囁かれ、私の理性は呆気なく崩れ去り小さく頷く。 (あぁ、なんて厭らしい……) 「……誉さん可愛い」 「――――んぅ!」  噛み付く勢いで重なった唇は、野性的な舌使いと共に一気に濃厚な口付けとなる。 「誉さん、愛してます。本当に……貴方は綺麗だ」  唾液の糸が双方の唇を繋ぐ中、藪中が愛の言葉を紡ぎ、両手で私の上半身を弄りながら器用にボタンを外す。  露わになった胸部を藪中の大きな掌が生き物のように這っては、直に胸の尖りを指の腹で擦り、指先で挟まれた。 「っあ……んっ!」  思わず身体をビクリと震わせるも、彼からの愛撫を全身で受ける。それは徐々に下腹部へと向かい、スラックスに辿り着くとベルトを器用に外された。そしてそのまま一気に下着と共に足から引き抜かれ、私の下半身は明るい室内に藪中の目前に晒される事となった。 「――っ……!」  あまりに素早い行動に鼓動が早くなる。しかも中心部は、はしたない姿で欲情を形にし、先端は先走り汁で濡れ光っていた。  恥ずかしさ極まりないと感じても、これから訪れるであろう確実な快楽に、期待が込み上げてならない。
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