Marriage Blue(後編)

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「――っ、誉さん!?」  行動を凝視していた藪中が、驚いた様子で大きな声を上げ、寝そべっていた上半身を起こした。 「藪中さん、お願いっ……コレが欲しいんです――っんぅ……」  舌先を這わせながら私は猛る雄を咥内いっぱいに頬張った。口の粘膜に包み込まれた肉塊は、とても硬くて大きかった。実はこれが初めての口淫だった。  普段、体を結ぶ前の前戯として、基本的に私は受け身であった。藪中からの愛撫をひたすらに受け、最終的に熱杭を受け入れる。本来ならもっと応えるべきだっただろうが、性に対しては些か不慣れな為、出来なかった。  きっと藪中からしたら物足りなかった事だろう。けれど、今はそんな感情など何処かへ飛び、藪中そのものを味わいたかった。 「んんっ……っ、ふ……んん……っ」  足に跨ぎ座って蹲り、藪中にしてもらう事を思い出しながら、舌を駆使し口を窄めた。それが良かったのか先端の小さな穴から、ジュワリと新たな淫液が濃く出た。広がる雄の味は喉奥まで熱くさせてくる。勿論カ|リの部分への施しも忘れない。竿との段差を舌先で一周させるように辿っては、擦ってやった。 「っ、あぁ……誉、さん……っ、今の、いいです。もっと強く、吸ってみて」  優しく私の髪を掻き撫で、耳朶を擽ってくる藪中は口での行為を更に促す。 「ん……っ、ふっ、ん」  言われた通りに吸い動かした。やり方なんてわからないけれど、藪中の口から漏れる吐息は確実に感じている事を証明していた。 「っぐ……、誉さんっ、あぁ、うん、最高です」  満足気に呟いた藪中が腰をグンと突き出した。その事で張った切っ先が上咽頭に到達し粘膜同士が厭らしく触れ合う。 「――――んっ゛ぅ……っぅ!」  思わず咽そうになるのを堪え、口での行為を続けた。藪中の茂みが頬や鼻先に触れる。それぐらいに口の奥まで咥え込んでいるのだ。  とにかく顔を必死に上下に動かし刺激を与える。その間、舌先で血管のラインや裏筋を穿るように辿ると、藪中がブルリと体を震わせた。
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