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「誉さんっ、動きますから……しっかり捕まって」
激しい抽挿を行うつもりなのだろう。私は頷き、背に回す腕に力を込めた。その直後に、淫猥な肉打つ音と一緒に、視界が大きく揺れはじめる。
「っ、ひっ――ぅ! や、藪中さ……! あっ、あんっ、はぅ……っ!」
揺さ振られる中、背中に回した腕とシャツを握り締める指先に力を入れた。貫いてくる硬い楔が紅い肉襞を潰し擦り子宮口を抉る。臍奥がキュンと締まり藪中を縛り付けた時、最高の摩擦が生まれる瞬間に体は悦んだ。
「―――ひっ、あぁ゛ぅ――……っ!」
「あ……っぐ、誉さん! 吸い付きすぎ……っ!」
藪中が逞しい腰打ちを行う最中で、歯を食い縛っていた。自覚は無いが、今私の内部はとんでもない動きで藪中を快楽の渦に落しているのだと知った。それは勿論自分も一緒だ。
(あぁ、何て、何て……気持ちがいいのだろう……)
大きな快楽の波に攫われて翻弄されるのが、こんなにも気持ち良かったのかと。それ程迄に発情時のセックスは私達をただ、性に乱れる獣へと変えて来る事を知った。
初めて発情したホテルでの夜は、まだ番関係は結んでいない上での繋がりだったが、今宵は違う。番となり、発情を迎えたセックスは初めてだったのだ。
「はっ、は……、誉さんっ……奥が、うねって凄い」
藪中が荒い息を吐き、最奥部を味わいながら腰を強く強く打ち進める。必死にしがみ付いても凄まじい振動に心も体もされるがままだ。
「んっ、あぅ……藪中さんのが、きてる……っ!」
涙目になりながら、胎内奥を掻き混ぜ捏ねる肉塊の存在をリアルに感じた。下腹部の形が変わってしまうじゃないと恐れるぐらいに、今の藪中は雄の凶器だった。
壊される――……そんな甘い恐怖が支配する。
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