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「っ、誉さん――っ……!」
「あっ……ひぅ!」
藪中が突然私の体を起こし、視界がグラリと揺れた。向かい合って結合すると思いきや、藪中は私の腰を掴んだまま寝そべったのだ。繋がり彼を跨ぐ形になり、自身の体重で埋まってく雄肉に背がしなった。
「あぁ、いいですね……この体位も、中々出来ませんからね……っ!」
「――ひぁぅ!」
言い終わると同時に藪中は腰を突き上げ、繋がった部分を軸にして何度も腰をグラインドさせる。その度に私の体は飛び跳ね、思わず後方に倒れそうになるのだが、藪中の手によって掴まれた腰がそれを引き戻す。
ひらすら訪れる快楽の波に捕らわれて、体の芯から溶けいくこの感覚に逆らう術などないのだ――。
「はっ、誉さんっ、ほんと、綺麗です。普段凜とした貴方も、こうやって淫らに乱れる貴方も、たまらない」
陶然と呟いた藪中は、掌をシャツの裾から侵入させて、私の脇腹や両胸を愛撫した。汗で濡れた肌と藪中の熱い手が触れ合うだけで更なる感度を引き起こす。
「――っぁ、は……んっ、ぁっ、いや……」
リズミカルな律動を受けながら胸の突起を親指でクイッと擦られる。腰を弓形に反らせては、打ち合う度に藪中の下腹部で揺れる自らの屹立が痙攣を起こした。二度目の放出が近い証拠だった。
「誉さん、いいですね……こういった所で、白衣を着たままでセックスするのも……なかなかスリルで魅力的だ」
「あっ、そんな……っ、言わないで下さ…っ」
わざと羞恥を煽る台詞に少しだけ理性が戻った。発情で正常な判断が奪われ、ただ性欲を貪っていたが、ここは職場なのだ。背徳的な行為に良心が痛むが、それはほんの一瞬だった。
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