Marriage Blue(後編)

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「誉さんっ、俺の動きに合わせて、腰振って……」 「あ、ぁぅ……ん、出来な、いです……っ」  そんな器用な動きなんて出来ないと、腰をうねってみると藪中がフッと鼻息を荒くした。 「っ、あぁ……ううん、出来てる。いいですね、左右に動かして……もっと這入っちゃいましょうか」 「――っぁあ゛ぁ……!」  難しい要求に混乱が生じたが、腰を捩りながら藪中の動きに呼応すると、まるで絶妙なタイミングで擦れ合うのがわかった。抱き起こされる前に挿入していた箇所に、窄まった肉壁を膨らんだ先端が割って来る。 「――っ、きっつ……!」  藪中が大きな息を吹きながら愉悦の表情を見せ、二度目の射精に耐えていた。腹奥を壊すように行き来する動きに私も駆け上がる熱を感じた。  そして、藪中が真下から真っ二つに引き裂く力と勢いで打ってくると、長大で昂り狂った雄芯が子宮を目掛け突いた。 「ひっ……! ぁ、あぁぁぅ――っ!!」  突き上げる力があまりに強かったのか、私の体は深く結合したまま藪中の上で飛び跳ねた。そして同じくバウンドした自身の屹立からは熱が放出する。濁った精が四方八方に飛び散り、藪中の口元や頬にまで付着した。 「はっ! 誉さんっ、出る――っ……ぐ!」 「ぁあっ!……あ、熱いっ……あぁっ――っ!」  私が果てた、ほんの数秒後、藪中も激しい迸りを子宮に直接沁み込ませるようにして行った。まるで熱水のような熱さが下腹全体を満たしてくる吐精に身震いした。 「はぁっ、誉さん……たくさん出ちゃいましたね」 「ひぅ……だ、駄目……押さないで、下さ……!」  出しきった藪中が私の下腹部を捩じるようにして撫でると、自身の上体は力なく彼の胸へと倒れ込んだ。繋がったままの其処は、淫靡に蠢き合い余韻を貪る。
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