Marriage Blue(前編)

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 こんなに直ぐ、彼の見事なまでの剛直を受け入れて大丈夫なのだろうかと不安が駆ける。しかしその心配は全く無用だったようで――…… 「あぁ、誉さん。大丈夫です……ほら、挿入(はい)るっ……ぐっ――……!」 「はぅ、ぁ、あぁ゛ぁぅ――……っ!!」  半ば強引に藪中は肉壁を割りながら挿入を果たし、その衝撃に私の足先が宙を蹴りピンと反った。内部は昨夜の情事で熟れ蕩け切っていたのか、難なく奥へ奥へと膨張した肉塊を(いざな)う。  下腹部への圧迫感は半端無いが苦しくはない。寧ろ臍奥が連日の情事に啼き蕩けていた。  こんな事ってあるのだろうかと、自分の身体の厭らしさに驚愕したが、それ以上に何もかも壊しにかかる快楽が結合部から駆けるのだ。 「っ、あぁ……誉さん。中っ、すっごいトロトロしてる……ヤバイ」 「あぅ……ぅん! そ、そんな……!」  更に羞恥を煽られる台詞に私は首を横に振ると、藪中が腰を押し付け結合を更に深めた。その動きは甘い摩擦を生み出して、熟れた肉壁は悦び彼の分身を締め付けながら絡みつく。 「っは! 凄っ、誉さんっ、動きますよ……っ!」 「ひぅ、ぁ……あぁぅ……っ!」  藪中が力強い巧みな腰の打ちつけを開始した。視界も何もかも揺れる激しい律動に私の身体はガクガクと震えソファの上で悶えるしかなかった。  抜き差しされる藪中の猛った雄は、敏感な粘膜を壊し抉る勢いで攻めてくる。その度に、二人の交り合った淫液は絡む水音を発する。淫猥に打ち合う肉音も熱い吐息もすべて一体化し、それは広いリビングにソファの軋む音と共に反響していた。  私の全ては藪中によって快楽の渦へと堕ちるしかないのだ。 「誉さん。ほら、奥に届いてるのがわかります? 好きですよね? ここ」 「っ――……あぁ゛ぅっ!」  藪中の怒張した肉竿の先端が、私の弱い箇所を抉っては穿ると視界が眩んだ。    ここは何時も彼に攻め落とされては啼き狂う場所であり、オメガ男性が持つ器官、子宮の入り口だ。
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