Marriage Blue(後編)

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「誉さん、ほら……まだ出てるのわかる?」  熱い吐息を吐きながら、藪中が私の耳朶を食め舐め、最後の一滴すら残さない動きで腰を優しく回す。欲熱を思う存分叩きつけられ、濡れ熟れた肉孔は子種を、もっと欲しいと強請っていた。 「――っあぁ……」  震える指で藪中の胸元の縋りつき情けなく溶け切った表情で精を受け止めると、細胞の全てが満足していた。  全速力で駆け抜けた性交に激しい鼓動音がする中、番である藪中の熱精を胎内で浴び、発情期(ヒート)が少しだけ落ち着いたのがわかった。 「誉さん、何ホッとしているのですか? まだまだですよ」 「えっ……? や、藪中さ……あっ!」  藪中が上体を起こし、向き合うスタイルとなる。彼が動いた事で結合した部分が卑猥に歪む中、埋まったままの屹立が硬度を素早く取り戻していた。 「誉さん、ちゃんと捕まって……」  藪中が膝立ちになり私の膝裏に腕を回すと、額に優しく口付けながら捕まるように催促した。恐る恐る無言で従い藪中の首に腕を絡めると、急に視界が揺らいだ。 「――あっ! 嘘っ……!」  藪中はその逞しい力で立ち上がると、下部を繋げたままソファの方へと向かったのだ。落ちないようにと、藪中の首にギュッと抱き付く。膝裏を抱え上げ体を持ち上げる力強さに驚きを隠せない。彼はこんなに逞しかったのかと。  歩く度に、繋がる箇所に振動が伝わる。足を藪中の胴にも絡めさせた時だ。ソファの傍に辿り着いた藪中が歩みを止めた。ギチギチと目いっぱいに広がった蕾が、不安定な繋がりに怯えたのか、入口部分が窄まった。 「ッ、誉さん、まだ足りないんだ?――じゃあ、これは、どうですかっ?」 「はっ――ぅ! ぁあ、っ! 藪中さ、あぁぅ――――ッ!」  藪中が急にガクンと膝を折ると、繋がる体勢のまま全体重をかけてソファへと私を押え込んだのだ。二人分の体重がかかり、体がソファの上でバウンドし軋んだ音が鳴る。勢い付いた侵入で、結合部は破壊されそうになった。
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