Marriage Blue(後編)

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「――っ、ひぁ、ぁ、や、藪中さんっ……」  そんな藪中の頭をギュッと抱きしめ、私は臀部を上げて更に密着を求めた。汗に濡れた肌も、グズグズに溶けた下半身が滑り合うと、より激しい挿入行為となる。  自らのこの行動が示唆するのは、藪中の本能従い自身もオメガの本能を見せた瞬間だった。 「誉さんっ、出しますよ……貴方の子宮(そこ)で、全部、全部飲み干して下さいっ」 「はっ、ぁ!……ぁ、来て、藪中さんっ」 「誉さんっ、名前を読んで……俺の名前をっ!」  高速の腰打ちの最中、藪中が願いを口にした。切実な想いが伝わり、私は激しい揺さ振りの中、上擦った声で応えた。 「んっ、あ……っ、み、路成さんっ、路成さ……んっ!」  愛しい想いを弾けさせ、上擦った嬌声の最中で名前を読んだ。すると彼は私を力の限り抱き締めて、腰を最大限に駆使する。 「あぁ、誉さん。嬉しいです。愛して、愛しています……!」 「ぁん、路成さん……っ! 私も、だから、もうっ……」  欲しいと濡れた瞳で訴えた。この体全てを塗り替えるような、あの濃厚で、的を射る確かな迸りを求める以外、何もいらなかった。 「えぇ、沢山あげます……っ、また出ますよっ」 「――っ、あぁぅ…ぁはぅ、路成さんっ!」  その宣言に甘く戦慄した。この後、胎内で行われる二度目の射精もきっと驚異的であろうと。  藪中の引き締まったお腹と臍に、私の屹立の先端と裏筋が擦れる。時折、彼の臍にカ|リ裏や、鈴|口が触れ、それがまた吐精を早めてくるのだ。
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