Marriage Blue(後編)

46/56
前へ
/137ページ
次へ
「誉さん……三回目、出していい? ごめん、まだ収まんない」 「――っあ……っぅ!」  下から腰を浮かせる藪中の動きに合わせて、私の体が結合部分を軸にして反った。三度放った自身の屹立は硬度は失っているものの、緩やかに欲情を主張していた。 「本当、最高ですねっ、発情時のセックスって、癖になりそうだ」 「あぅ! み、路成さ、これ以上はもう……入らないですっ、あぁう!」  あれだけ沢山、胎内に精を受け止めたのだ。腹部はもう、藪中の情欲塗れなのだ。捲れ上がった白衣はもう皺くちゃになり、互いの体液がこびりついていた。溶け合った下半身も、何もかも全てぐちゃぐちゃだった。 「誉さんっ、これでもう、赤ちゃん出来ちゃいますね」  藪中が力の限り突き上げ、腰を一旦停止させると、埋まった雄で内部を穿り掻き混ぜる。 「――っ、ひぅ、あぁ、混ぜないで……っ」  挿入の角度がいつもと違う事で、臍辺りから藪中の切っ先が突き破って出てきそうだった。それ程までに、強く意思をもった侵入の動きだったのだ。それなのに、擦れた箇所は、もっと欲しいと啼き叫ぶ。 (あぁ、これが……本当の発情期(ヒート)か……)  心と本能に従った、アルファとオメガの二種間のセックスの凄まじさに驚きすら覚えた。 癖になる……まさにその言葉通りで、全てを壊すこの快楽にずっと身を委ねていたいと思うほどだった。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4910人が本棚に入れています
本棚に追加