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「誉さんっ……っぐぅ……――はっ!」
「ひぅ、ぁ、あぁぅ――……っ!」
程無くして藪中が鋭く射精した。放出量は先程より少なく感じたが、火傷しそうなくらいに下腹が熱く燃えた。連続であった為か、私は極少量の精を天に向かい放つ。それは小さな弧を描き、ソファへと付着した。何度も内部で解き放たれた種は、きっと確実に受胎させようとしているだろう。けれど、不思議と恐怖はなかった。寧ろ、愛するアルファの番との間に子を成せるのならと、心が悦びで震えた。
「誉さん……誉さんっ……」
「っ、路成さん――っ、んぅ――……!」
胎内へ度重なる情欲を注ぎ込んだ藪中が私の名前を呼ぶと、上がる息を閉じ込める口付けを交わした。その最中、再び体を反転させ抱き込んでくる。
「っは、誉さん、愛おし過ぎて、どうにかなりそうだ……」
「路成さんっ、あぁ、私もです……っ」
互いに愛を乞う中、とことん噴出した彼の雄竿がやっと引き抜かれた。その瞬間、堰を切ったように大量の白濁精が泡立った音を立てて、後孔から吹き出したのだ。
「はぅ、ぁ……いや、こんなに、出て、あっ、ん」
「大丈夫。ゆっくり息して……」
その感触ったら無かった。肌が酷く粟立っては、次第に視界が霞み出した。そんな私を慰めるように、藪中が優しく声を掛けた。
「あぁ、路成さん――……」
まだ冷めやらない激しい情交の余熱に浸る中、藪中の背に回した腕に力を込める。そしてとうとう、私は眠る様にして意識を手放したのだった。藪中の口付けを額に感じながら――。
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