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「っ、誉さんっ! また先にイって、駄目じゃないですかっ」
「はっ、あ……ぁ、ゆっくり……動いてっ、あ、あぁ!」
「無理ですって……っ、俺、まだイってないから」
吐精が続く中で藪中の動きは激しさを増す。自分の屹立は、与えられる律動の中、四方八方に揺れ先端から精の残滓が飛び散っていた。
藪中の雄を締め上げる内部は三度目の射精で小刻みに痙攣する。その蠢きを藪中の楔がひたすら潰しては摩擦を生じさせ、達した後でも終わりのない絶頂感に襲われていた。
「っ――中っ、凄い……っ、誉さんっ、もう出しますよ?」
「ぁ、あ、藪中さんっ、きてっ……!」
「っ―――ぐっ、は……イクっ……!」
「―――っ! ぁあぁぅぅ―――っ!」
藪中を強く掻き抱いたのと同じタイミングで、彼は二度目の熱情を胎内に叩き付けてきた。
それは、一度目と変わらず熱く、直に抽入される雄の飛沫は再び子宮にまで行き届いていた。
まるで箍が外れたように求め合ったこの行為は、色欲に溺れる獣そのものだと、霞む意識で背徳感に駆られる。
それでも心も細胞も、藪中を欲してならないのだ。こんなにも激しくて、理性を飛ばした行為は久々だった。
頭の片隅に「妊娠」という言葉が浮かぶ。あれだけ凄まじい射精を二度も受けたのだ。しかも発情が近いかもしれないのに、中で出される事は受胎確率を上げる事に繋がる。
けれど、そんな心配よりも今は――……
「――っ、あぁ、藪中……さん……」
迸りを感じながら、朦朧とした意識で愛しい人の名前を呼んだ。どうか嫌いにならないでと――。
先の喧嘩で自分が放った言葉は間違いなく彼を傷付けてしまったのだ。
「……誉さん……――――ん……」
藪中の言葉は最後まで聞き取れないまま、この夜、私達は激情のまま何度も何度も熱を交わしたのだった――。
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