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とにかくそうして食事も終えて、俺は人心地がついて冷静になった。
そして、とりあえずこいつをどうするか考えた。
置いてやると言った手前、投げ出したりはしない。けれど、とりあえず必要な物はある。下着、服、その他。代金は…この食事という事にしておこう。
「遼、シャワー浴びてこい。それと、服は着れそうなら着ろ。下着は俺の使ってないやつをやる」
「どっか行くの?」
「お前の下着やらを買わなきゃいけないだろ。服だってそれだけじゃ事足りない」
「俺、金ないんだけど…」
「バイトして返せ。できなきゃ俺の家政婦でもしろ」
俺もシャワーを浴びて着替えなきゃならない。立ち上がり、風呂場に向かう。ノズルから出る熱いお湯が冷えた体に心地よい。汗を流して、感情までは流れなくても落ち着いた。
風呂から出てくると、タオルが出ていて俺は少し笑った。
甲斐甲斐しいと思うんだ。気配り上手で、さりげなくやってくれる。背中をさすってくれた時も、甲斐甲斐しい奴だと思っていた。
「風呂空いたから使え。タオルも予備のを出しておいた」
「有難う」
…言葉使いは、少し直してやらないといけないかもしれない。
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