同居初夜

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「その人、凄く生活が派手で、家になんていつく人じゃなかったんだ。一緒に食事したのだって、本当に数回だし。よく夜に女の人連れ込んで、俺はその度に家をあけてさ」 「…お前、それで文句なかったのか?」  面倒を見るとか、居候とか、色々あるだろうが拾ったのはそいつだ。住まわせているならそれなりにルールがあるだろう。  しかもこいつは未成年だ。夜中に女連れ込んで、未成年追い出すような奴は俺としては最低だ。  でも、こいつはそうじゃないらしい。お人好しなのか、一切恨んでる様子も、文句を言う様子もない。 「文句なんてないよ、感謝こそすれね。俺、本当に拾われた当時酷くてさ。色々物騒な事も考えたし。そんな時に拾ってくれたんだから、それだけで嬉しかった」  物騒な考えって、なんだ。  そもそも家を飛び出すほどの家庭環境にも問題がある。今の大人は子供をなんだと思ってる。こいつぐらいが一番難しいってのに、ほっぽり出して。 「あの人の所を離れる時も、恨んではいないんだ。ただ…やっぱり寂しかったかな。俺、独りぼっちだし」  不憫だ。こいつ、これでいいって本当に思ってるなら幸薄いだろ。悪い奴じゃないし、どっちかと言えばいい奴だ。  どうにかしてやりたいが、そこまで面倒見るのか?
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