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大井澪は翔大のメモによると、古いアパートの一室に住んでいるそうだ。
「こんにちは、澪さん、います?」
彼女はドアを開けた。
「ええ。どうかしましたか?」
そこに立っていたのは、二十代前半と思われる、美しい女性だった。長い黒髪をサイドダウンで綺麗にまとめ、休日にもかかわらずちゃんと化粧を施していた。
よほど身だしなみに気を使う人なのだろう。だがきつい印象はなく、どちらかというと清楚と表現したほうがいい。そんな女性だった。
「ちょっと、お話聞かせていただいてもいいですか」
澪は湊人たちを招き入れた。
彼女の部屋は、ピンクと白を基調にした女性らしい部屋だった。部屋の隅にはいくつかダンボールが置かれており、その中には、洋服などの生活必需品がたくさん詰まっていた。
恐らく引越しでもする予定だったのだろう。
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