76人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
ここは都内の静かな喫茶店。そこにはスーツを着た二人の男が座っていた。
「マスター、いつもの頼む」
黒髪の男性が店主にオーダーする。
「本当にいつも災難だよな。非番のとき限定で事件が舞い込んでくるなんて」
黒髪の男性――森嶋湊人が言う。
その言葉に今まで伏せていた顔を上げたのは、湊人の相棒である、明烏遊星だ。
「湊人はいいよね、ちゃんと休日があって。ねえ、今回で何回目? 僕の貴重な貴重な休日が無くなったの」
湊人は指を折って数え、丁度両手がグーになるところで指折りをやめた。
「そう、十回目だよ! 不運にもほどがあるでしょ」
「まあ、仕方ないんじゃないか。それも覚悟の上で警官になったんだろ」
「そうだけど……」
最初のコメントを投稿しよう!