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『ホストクラブ フォルティッシモ』に着くと、遊星は顔をしかめた。
「こんなところに入るの……」
遊星は、こういった場所が嫌いなのである。
「嫌なら、いいんだぞ」
遊星は首を横に振る。
「これも仕事だからね」
湊人は頷いて、店内に足を踏み入れた。遊星も、背筋を伸ばして後に続いた。
「いらっしゃいませ、お客、様」
出迎えたホストは、湊人と遊星が出した警察手帳を凝視し、次いで口をぱくぱくさせた。
「こんにちは、この人居るかな」
「し、知りません、こんな人」
湊人が写真を見せると、ホストは明らかにうろたえた。
湊人は面白いので、もう少し脅してみることにした。
「お兄さん。もしあなたが言わないのなら、この店許可受けてないみたいだから摘発できるけど、どうだい」
するとどうだ。ホストは震えながら、こちらへと湊人たちを誘導した。
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