警視庁第十九課 『ニート殺害事件』

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 その後。  湊人は、一人で徹の家が見える場所に来ていた。彼は徹を徹底的に調べることにしたようだ。  双眼鏡と少しの食料、筆記用具を持って、あるマンションの一室に篭ったのだ。  そして、彼は徹を尾行した。生活パターンは大体つかめた。  徹は毎日九時から十八時まで仕事している。彼を尾行していた日々の中で、湊人はある事を知った。  徹はある休日、若い女性と会っていたのだ。  その女性は、澪と同じ二十代前半で、別に二人は恋人というわけではないようだった。  むしろ、女性はおびえているようだった。  湊人は気になって、その女性をつけた。彼女が入っていった家の表札にあったのは、 『大井澪』  という名前であった。
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