警視庁第十九課 『ニート殺害事件』

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 その言葉を待っていたかのように、マスターは湊人に頼まれたメニューを持ってきた。 「ごゆっくり」 「ありがとうございます」  お礼を言って、湊人と遊星は運ばれてきた飲み物を飲む。 「それにしても湊人。いつも思うんだけどそれ、子供っぽいよね」  湊人の手には、ミックスジュースが入ったグラスが握られている。 「仕方がないだろ。コーヒーは嫌いなんだ」 「確かに湊人、コーヒー嫌いだよね。理由は確か、苦いから。だっけ?」 「遊星」 「そうそう。湊人は甘いものが好きなんだよね。俗に言う甘党って言うやつ? もっとも、甘いものしか無理だよね」  遊星としては、自分の不運を嗤った湊人に、仕返しをしたつもりだった。だが。 「は?」  彼がまくしたてた言葉は、どうやら湊人の導火線に火をつけたようだった。 「もういい。お前とは二度と捜査しないからな」 「え、湊人? 冗談だよね? ちょ、ちょっと待って!」  湊人は遊星を置いて店を出て行く。遊星もそのあとを追った。
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