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その大井澪の言葉を信じ、湊人と遊星は大井澪、もとい川原ひかり、そして中井徹を十九課の取調室に呼び出した。湊人はひかりの、遊星と翔大は徹を担当することになった。
「こんにちは、ひかりさん」
今日のひかりはこの間とは違う、髪も茶色でパーマをかけた化粧も厚い、今どきの女性だった。
彼女の体からは香水の匂いが漂い、湊人は遊星と交代したほうがよかったかと考え始めた。
「何? 早くしてよね、今日はネイルサロンに行くんだから」
「あなたが話してくれれば早いんですけどね」
「話す? 話すって、何を」
「小暮享也さんの事件についてです。話してくださると、あなたの刑を軽くすることができますけど」
その湊人の言葉に、ひかりは飛びついた。
「そんなことができるなら、話してもいいよ。私と徹はね」
湊人はレコーダーを準備した。
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