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ああ、
自分はトラックに引かれたのか。
でも、初めて人を助けた。
不思議と痛みはなく宙に浮かんだ感覚だけがあった。意識が朦朧としていき、そのまま地面に倒れた。
自分は死ぬのか。自分の生きる意味がなんなのか知らなかったが、不思議と死ぬことは怖くなかった。
人と関われない自分が嫌だったから、生まれ変わったら、楽しい人生を送りたいな。
この一瞬で、そればかり考えていた。
なんで人間は皆平等では無いのだろう・・・。そんなことを思いながら意識は無くなった。
――――――――――、
「・・・・・・あれ私、死んだんじゃ・・・?」
意識が戻って思い瞼を開ける。そこは真っ白な世界だった。
ここは死後の世界なのだろうか。
しかし、感覚は全てリアルに近い。天国というものはこういう所なのだろうか。
そう考えていると、目の前に光が出てきて現れたのは綺麗なお姉さんだった。
「貴方、暁詩音ですね。お待ちしておりました。」
「えっ?なんで私の名前を・・・そして、貴方は誰ですか?ここは何処ですか?」
「私は人が言う神様。神様なので名前は存じております。そしてここは私が作り出した空間です。私は貴方がここに来るのを待っていました。」
凄い数の質問をしたはずが、一言で全てに返答した。
そして、自分を待っていたということに首を傾げる
「私、神様なんて信じない。神なんて・・・いても無駄なだけ。」
「・・・凄く私毛嫌いされていますね。まぁ、仕方なの無い事ですよね。あんな事があっては・・・。」
神様だから、全てお見通し。なら、助けてくれれば良かったのに。
神様はそんな事も微動打にせず、「さてと」、と気を取り直して話を進めた
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