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「暁詩音、貴方に問います。・・・・・・生きたいですか?」
その問に少し考えた。
いきなりで驚いたが確かに、生きたいとは思った。しかし、自分が生きていてもいい事はあるのだろうか。
また、あの時のような思いはしたくなかったから悩みどころでもあった。
「私は・・・生きていても、何も無い・・・。」
だんだんと生きる事が不安になっているのを、私は知っていた。
「生きたいと願うならば、きっと貴方にも幸運は訪れるでしょう。」
でもそう言われて、私は決心した。そして神様の輝く瞳を見て言った。
「生きたい・・・私は、生きたい・・・・・・!!」
答えを聞くと神様はふっと笑った。
「その答えを待っていました。貴方にはこれから幕末に行ってもらいます。」
「・・・へ?幕末?幕末ってあの、坂本龍馬とか新選組とかがいた時代?」
中学の先生から教わった事を思い出す。
中学の社会科の先生は歴史好きで毎時間繰り返して幕末の話をしていたのを思い出す。
「そうです。貴方には生き返らせる代わりに、幕末で名を挙げた人物達の運命を変えてきてほしいのです。」
「運命を・・・変える・・・・・・」
あまりにも重い任務に少し戸惑う。
少し剣術が使えるくらいの自分に果たしてそんな事が出来るのだろうか。
「なんで運命を変える必要があるんですか?」
私はそう、尋ねてみた。すると、神様は少し哀しそうな顔をして答えた。
「この世界は今・・・悲しみに満ち溢れています。そして、あと数年で・・・日本は戦争をすることとなってしまうのです。」
「日本が・・・戦争を・・・・・・!?」
私は思わず息を飲んだ。平和な日本が・・・戦争をしてしまう。そうなれば、多くの人が死に・・・きっと日本は滅びてしまう。
「それを救うには、過去を変える必要があるのです。だか、貴方には・・・幕末の英雄たちの運命を変えてきてほしいのです。」
神様は私の目を見つめて言った。その目には同時に、哀しさが混ざっていた気がした。
きっと神様は、こんな未熟者の私を助けたいのだろうか。それとも、都合が良い人が、私だったのか・・・。
神様が考えていることは分からなかったが、私はその、神様の望みを叶えてあげたかった
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