愛されなかった者

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初めて飛んでみて心はうきうきだった。まさか飛べるとは思っても見なかったから。 人が生身で飛ぶなんて現代でもありえない事だぞ!?・・・そういえば、私は人じゃないんでした・・・。 「さてと、これからどうしたらいいのかな?」 「まずは京の町の探索をしてみてはどうですか?」 「そうだな。地形とか知っといた方が何かと都合がいいしな。」 そう言われ、私は着地した所から歩いて町に向かった。 町に着く頃には日が高く上がっていた。そして人通りも多くなってきている。 「京都なんて初めて来た・・・。」 昔作りの家や着物を着ている人たちを見て、思わず心が踊る。 うきうきで辺りを見ていると誰かと肩がぶつかってしまった。 「あ、すいません。」 謝るとその人は笑みを浮かべた。 「こちらこそすいません。大丈夫でしたか?」 「は、はい。大丈夫です。」 綺麗な顔立ちの人だな・・・と思わず見ていると目が合った。 「貴方は・・・」 逆にまじまじと見られた。だが、その人は何かを言いかけたが言うのをやめて「では。」と言って立ち去ってしまった。 何だったんだろうと思いながらも私は足を進めた。 なにか・・・大切な人だったような気がした。 その後も、散策していると不意に路地裏の影に子供がこちらを見ていた。 その少年が見ていたのは行き交う人達が持っている食べ物だった。 私は、近くにあった団子屋で団子を2本買った。 本当に少し金額を頭の中で想像しただけで、その金額が出てきたことに驚いた。 そして包んでもらった団子を抱えて、先程の路地裏に向かった。 ________
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