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暗闇の中一人に、光が差し込んできた。 私はその眩しい光を見た。
「お前・・・一人なのか?」
どこからかそんな声が聞こえてくる。でも、声だけしか聞こえない。あなたは・・・・・・
「あんな事したから、みんないなくなった。・・・いや、あんな事しなくても、最初っから周りには誰もいなかった・・・。だから、ずっと1人で生きていかないといけないんだよ。きっと・・・私は、そういう運命なんだよ。」
「・・・そっか。なら、俺がお前と一緒にいてやるよ。だから、もう泣くな。笑ってろよ。」
知らないはずの声なのに、どこか懐かしいそんな声。私は届きそうで届かないその声に手を伸ばした。
――――――――――、
昔からそうだった。親は私が小学生の時にいなくなり、先生や友達からも見捨てられた。
・・・いや、あれは友達なんかじゃない。友達なんて、ひとりもいない。
入学したては、そうじゃなかった。
あの時はまだ、偽りでも・・・笑っていたのに
一人なのは最初から。いつも学校にくればいじめられる。
テストで100点を取っても先生も誰も褒めてはくれない。それどころか何故だか馬鹿にされる。
「調子に乗りやがって」
そう、言われ続けた。
家に帰っても、頼れる人は誰もいなかった。
だから
私は歌を歌う。
自分の感情を、他人に伝えるかのように。自分で歌を作って。
なんで親がいなくなったのかなんて、今じゃ思い出したくもない。1人だから、学校だって行きたくない。
でも、やっと・・・友達が出来るかもしれないから、受験もした。いじめに耐えて、私は1人を卒業するためにたくさん勉強もした。
1人ってね・・・・・・想像以上に残酷なんだよ。
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