第10話 接点

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第10話 接点

俺はさっそく、悠真と待ち合わせをしているファミレスに向かった。 まだ悠真は居ないみたいだ。 とりあえずドリンクバーを頼み、コーヒーを入れ、ソファーで一息ついた。 ふぅ…これからマジでどうなるだろ…そう考えていた時、後ろか急に 「ドーーーーン!」 凄い声で勢いよく押されたので、気絶するかと思った。 「だ、誰だ!?」 俺も負けじと、精一杯の声を出した。 「なんだー和樹? なんか顔色悪くないか?」 ゆ、悠真かよ…。 俺は脱力感に襲われた。 「なんだよ、その顔? 俺じゃだめだったかよ?」 悠真で良かったよ…。 心底そう思った。 「あ、あのさ…相談があるんだけど…これ マジな話だから、真面目に聞いてくれるか?」 「改まって、なんだよ? なんか怖いな」 「いや、信じられないことかもしれないが、これは至って真面目な話なんだ。 この前、悠真とファミレス来た時あっただろ? そん時、悠真は電話をしてた。 それで、俺の電話が鳴ったの覚えてるか? あの時、知らない番号から掛かってきたんだ。それで暇だったし、取ったら女の子でさ」 ぴくっ。 悠真の体が反応した。 そして顔が強張った。 「和樹…おまえまさかその子と仲良くなったんじゃないだろーな?」 えっ? なんでそんな事聞くんだ? 「まだそんな仲じゃないならやめとけ。 そんな顔も知らない女なんて、ろくな奴じゃない」 「それが仲良くなってしまってさ…」 ガタン! びくっ!? 悠真が机を叩いた音にビックリした。 「おまえまさか…ついとか言うあだ名の子じゃないだろうな?」 「な、なんで悠真が知ってたんだよ…?」 悠真がため息をついた。 「和樹は知らないだな…たしかに、そっち方面興味ないしな…」 そっち方面? オカルト系か? 「な、なんか知ってるのか? 知ってたら教えてくれ!!」 俺は頭を下げ、必死にお願いをした。 「俺もそこまでは詳しくないが…俺の知ってる範囲でいいなら話そう」 そして悠真が話だした。
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