第4話 違和感

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第4話 違和感

ブー! ブー! ブー! ついちゃんからの電話だ。 あれから一週間、毎日お互い暇な時間に電話を掛け合った。 かなり仲良くなったと思う。 そろそろ会ってみたいな…そう思っていた頃だ。 ブー! ブー! ブー! 電話が鳴る。 だが、今は仕事中だ。 「和樹! 仕事中は電源切るか、マナーモードにしとけっていつも言うてるだろ!」 「すみません!」 俺はついちゃんの着信を見たら喋りたくなるので、携帯の電源を切った。 仕事が終わって携帯の電源を入れる。 ついちゃんから着信が5件。 うぁーついちゃんごめん! そう思って電話をかけた。 ぷるるる…ぷるるる…ガチャ。 「もしもし! ごめん、電話出れなくて!」 「かずくん? もぉーなんで電源切ったの?」 なんで電源切ってたのがわかったんだ? あぁーガイダンスが違うからか。 「仕事中は電源切るかマナーモードにしなきゃいけなくてさ」 「そうなんだ。でも電源は切らないで。 後、サイレントマナーにだけは絶対しちゃだめ。それと、仕事中以外は音出してね?」 少し違和感を覚えた。 でもまぁ出来ないことはないかと、この時はそう思った。 「ところでさーそろそろついちゃんと、遊びに行きたいなーとか思ってるんだけど…だめかな?」 ……うぁ、嫌な間だ。 「もう少し…もう少し仲良くなったらね? 焦っちゃだめだよー。 今、会っちゃうと勿体ない…ふふ」 勿体ないか…なんか恥ずかしい気持ちになった。 「そ、そっか。そうだよな。 また今度遊びにいこう」 また今度誘えばいい。 この時はそう思った。
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