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「ん...?ここは...?」
目が覚めて辺りを見渡せば見たこともない...いや,見たことはあった。
いつも私が見て,好きに遊んで探検した街がそこにはあった。
「うそ...!本当にゲームの中に入っちゃったの...!?定期テストも近いのに...!」
あまりの衝撃に思わず現実的なことを口走ってしまった。
目を丸くして辺りを見渡していると水色のティディベアみたいな生き物がポンッという音とともに現れた。この子は元々のゲームのチュートリアルなど案内をしてくれるキャラクター「リプル」なんだけど...実際に見てこんなもっふもふで可愛いとは思わなかった。
「勇者様っアナザーワールドにようこそです!ボクはおなじみリプルです!とりあえずボクがこの世界に起きていることを順を追って説明しますです!」
そう言いながらくるくる回るぬいぐるみ。
「えっちょっと待って。ちょっと待って。私が,勇者なの?」
「はいっ貴方が勇者様としてこの世界に招待されましたです!この地は一見平和ですが...見ての通り人ではないものも共存している地です。偏見や差別...種ごとの地位などでそれが強くなっておりますです。それに加えて街を出れば多くのモンスターがたくさんで...!」
まとめると種ごとの諍いが多くなりそれに加えて街の外でモンスターが蔓延り龍族がどうのと言ってる場合でないし龍族はいつも通りダンジョンを構えて虎視眈々と征服を狙っているのでもうめっちゃくちゃということ。
「...ということでこの中心街でまずは装備を整えましょうです!」
そうだ。そもそもパーカーとジーンズのままだったら戦うとか不安すぎる...って。
「そ,そもそも剣術とか知らないよ...!?スキルとかどうするの...!」
「それは本を読んだり特定の場所で取得できますですー。今の勇者様では布装備と木の盾と鉄の短剣が限界ですー」
うわっきっつい。そんな状況に絶望しつつ私はそのきっつい装備を一応そろえるためリプルに連れられ武器店に向かった。
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