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 耳を軽く嵌れ、宗佑は小さく吐息を零す。  久しぶりの村田の愛撫に、体中が粟立つ。  村田は宗佑のスーツの上着を脱がすと、曲がったネクタイに指を入れ解いていく。 「ネクタイの締め方‥‥‥今度、教えますね」  村田が、宗佑の耳元で優しく囁く。  宗佑は恥ずかしさで頬を染め、村田と離れなくても良いのかと安堵と同時に、愛おしさが増す。  村田の長い指が、ワイシャツのボタンに触れる。  宗佑はハッとし、甘い気分が一気に萎み込む。この体にはまだ、渉の残した独占欲の印が残っている。  村田はどう思うだろうか。こんな穢された体を見て、嫌気がさすのではないだろうか。  宗佑の複雑な表情に気づいた村田が手を止め「嫌ですか?」と不安げに声をかける。 「嫌じゃないんです‥‥‥でも‥‥‥」  宗佑は首筋に手をやり、ほんのり色付いている印に触れる。  村田は一瞬複雑な目をしたが、一つ溜息を零す。 「確かに嫉妬はします。でも、これから塗り替えていけば良いじゃないですか」  村田が宗佑の腕を掴み、首筋に舌を這わせ赤い印を上書きするように強く吸う。 「‥‥‥んっ」  チクっとした痛みが、首筋から痺れるように伝わってくる。  村田が顔を上げると、宗佑の唇を塞ぎゆっくりと舌で唇を割って入る。
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