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「渉さんに渡した代償は大きかったようですね」
村田は苦しげな表情で宗佑の腰を手で掴むと、ゆっくりと揺さぶる。
「はぁっ……う、動かさないでください」
宗佑は訴えかけるような目で村田を見下ろす。
自分から仕掛けたことなのに説得力ないと思いながらも、腰が砕けそうになり涙がとめどなくこぼれ落ちる。
村田は何度か腰を揺さぶり、宗佑の表情を楽しむように見上げる。
「あっん、はぁっ……もう、だめです」
宗佑はぐっと腰を引かれた瞬間、達してしまい熱い液を村田の腹部に吐き出す。
「あっ、はぁっ……すみません……」
宗佑は荒い息を吐き出し、我慢できずに達してしまったことを詫びる。
村田は繋がったまま、宗佑抱え込みゆっくりと押し倒し、形勢を逆転させる。
「……今度は私の番ですね」
村田が不敵な笑みを浮かべると、宗佑を見下ろす形で腰を動かす。
「やぁっ……まだイッたばかりなのに」
宗佑は鈍く残った快感を再び引きずり出されたように、熱を帯び始める。
渉のときより強烈な快感が宗佑を襲いかかり、好きな人とするとこんなに違うものなのかとぼんやりする頭で考える。
なにより愛おしく、相手を気持ちよくしてあげたいという気持ちが芽生える。
村田の抽送が早まり、思考から引きずり戻される。まるで凶器のように中を掻き乱し、背筋にかけて快感が駆け巡る。
互いに荒い呼吸を繰り返し、宗佑は夢中で村田の背に縋り付く。
度々、村田の腹部に擦られた宗佑のモノが切なげに蜜を零し限界を迎えそうになる。
「た、達彦さん……僕また……」
宗佑は濡れた瞳で村田に哀願する。
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