6人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
最後におきた意味不明な状況を思い出して、そんな筈がないと思いこもうとする。
「昨日のメッセージのことなんだけど」
私が切り出すと友人たちは、何のことと返す。
「だから、昨日のキョム様からの」
仕方が無く、アプリを起動して残っていたメッセージを見せる。
顔を見合わせて、メッセージを確認してた友人たちは最後の方になって顔色を変えた。
「ねえ、これおかしいよ」
友人の一人がそう言うと他のこ達も頷いている。
「どういうこと?」
「だって、そのアプリ空じゃ送信ボタンタップできないよ?」
訝し気な友人にアプリを起動して入力を確認する。
友人の言う通りだ。一文字でも入力しなければボタンすら出てこないのだ。
「資料室?理科室の隣は視聴覚室だよ」
何度も行っている場所だ。よくよく考えるとそんな場所自分でも思い当たらないことにようやく気が付いた。
「だって……」
「昨日だってみんなで心配して呼びに行ったんだけど誰もいなくて心配したんだから」
こちらが追及するつもりが、友人に昨日はどこにいたのか、何をしていたのか逆に聞かれてしまった。
――ポーン
その時、また通知音が鳴る。
メッセージを確認すると退会した筈のキョム様からで
『また、遊ぼうね』
とだけ書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!