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夜中でさらに眠気を伴う作業は時間の感覚が麻痺している。
数十分が数時間に感じ、またその逆も然りの状況だ。
「あー、眠い」
一緒に聞こえてくるのは眞辺のあくび。
沈黙は長くは続かない。
お互い眠気との戦いでもあるからだ。
「大丈夫?」
彼を心配しながら自分も眠気覚ましに首を振る。
「大丈夫じゃねぇけど、なにもお前まで起きてることねぇだろ」
「そうだけど。こうやって……話してれば眞辺の眠気も少しは醒めるでしょ」
「へえー、献身的」
「仕事のためよ」
すると、眞辺が突然席を立った。
「な、何?」
「コーヒー」
「私やるよ」
「いい。動いた方が眠気さめるし。お前は?」
「うーん、じゃあ私も」
眞辺は私の返事を聞くと伸びをしながらキッチンスペースに入り、しばらくして戻ってきた。
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