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私はカップを脇に置いてモニターに顔を近付けた。
「四葉エージェンシー……。ねえ、四葉エージェンシーからのメールだよ!?」
四葉エージェンシーは大手の広告代理店だが、うちとの取引はないに等しい。
うちのような小さな事務所とは無縁の企業だと思っていた。
「四葉エージェンシー? 四葉が何でうちに?」
眞辺も私と同じ反応を示し、デスクから立ち上がって隣から私のモニターを覗き込んだ。
「四葉エージェンシーの……倉田さん。
倉田……涼平だって。男の人だね。知ってる?」
「クラタリョウヘイ……?」
眞辺は首を傾げながら繰り返した。
「何で……私宛に来たんだろう?」
私も同じく首を傾げると、眞辺の方はそれで何かを思い出したらしい。
「……あ、あの男か……」
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