夜中のメール

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今年はうちの会社も宣伝のために小さなブースを借りて作品を展示した。 開催期間は土日二日間と短いものだが、来場者数は五千人以上と言われている。 倉田さんという人も、 来場者の一人……ということなのだろう。 私も開催される度に勉強の場として足を運んでいるのだが、あいにく今回は、納期が迫る案件につきっきりだったため叶わなかった。 自身のグラフィック作品を展示した眞辺は当然会場に出向き、社員数人と交代しながらブースに立ち合っていた。 恐らく、彼は眞辺がブースにいたときに立ち寄ってくれたのだろう。 しかし、それで、眞辺とのその人の繋がりはわかったが……。 「でも、何で……私のこと知ってるんだろ?」 メールは私宛に届き、宛名も私の名前『杉浦様』となっている。 「あの時……声かけられて、自分の名刺切れててお前の渡した。俺の担当だって」
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