夜中のメール

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ひしめき合うように並ぶオフィスビルたちも、この時間になってやっと静けさを取り戻し、翌朝に控えて眠り始める。 私は仕事場に戻る前にコンビニに寄った。 眞辺のことだ、出歩くこともせずに空腹のまま作業していると思った。 レジの横ではおでんが売り出されているが、夏の名残がある今はとても手がのびなかった。 代わりにおにぎりを二つと唐揚げを買った。 正面エントランスを通り過ぎ、脇の夜間通用口から中に入る。 エレベーターに乗り込むと壁にもたれて到着を待つうちに、夜中であっても気持ちが仕事モードに戻ってくるのを感じた。 静まり返ったフロアを横切りオフィスに入ると、奥の一部にだけ明かりが差している。 そこまで歩いていくのに音を立てずに歩いたのは、何も眞辺を驚かそうと思ったわけではない。ただ、その場の静けさに遠慮してしまったからだ。 出入り口から三つの部屋に区切られた一番奥に私たちの席があり、最後の仕切りを超える間際に向こう側から眞辺の声がした。 「もう勘弁してくれよ」
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