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アラームを止めてスマホを握る反対の手で顔を隠す。
徹夜明けできっと酷い顔だ。
年下の男子に堂々と見せられるものじゃない。
「へえ、橋爪くん、優しいんだ。眞辺が聞いたらきっと喜ぶよ」
私はさりげなさを装って瞼の下のマスカラやアイシャドウの滲みを指先で拭い取りながら言った。
「で、眞辺は?」
「俺が起こしちゃいましたよ。あんなところで寝てたんでもう少しで蹴とばすところでしたよ」
「あらら。気を付けてよ」
「気を付けるも何も……あんなところで寝てるなんて思わないじゃないですか。だったら杉浦さんこそ、ソファで一緒に寝たらよかったじゃないですか」
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