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眞辺がまっすぐに私を見つめる。
私の中の何かを探ろうとしているみたいだ。
それに何とかたじろがずに見つめ返すと、眞辺の口元が力を抜いて笑った。
「忙しくなるぞ」
「だ、大丈夫!」
眞辺の一言が決定打になった。
「よし! 返事は早いほうがいい。杉浦、挨拶を兼ねて俺から連絡するけどそれでいいか?」
「はい! お願いします」
身体の中に充満する高揚感。
鼓動が早まるのは緊張するときと……わくわくするとき。
……面白くなる。
呼吸が浅くなるのを抑えながら席に戻ろうとすると、
「杉浦」
と、眞辺が呼び止める。
「何?」
軽快に振り返って、笑顔が凍る。
「さっき言ったこと、忘れんなよ?」
眞辺が私の横を通り過ぎる。
「何でもするんだろ?」
と、軽い足取りで。
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