つい、約束を

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「俺は別になんもしてないですよ」 事務所内の注目を一身に集めた張本人は一人だけ気のない態度だった。 この男のこういうところがわからない。 私は首を傾げたが、眞辺のこういった理解できない態度は度々起こりうることだったので大して気にも留めなかった。 代わりに眞辺の隣で橋爪くんがはしゃいでいる。 「眞辺さん、すごいじゃないですか! 四葉から指名されるなんて。メチャクチャかっこいいじゃないですか!」 橋爪くんが眞辺を羨望の眼差しで見つめているが、眞辺の態度は変わらない。 眞辺の態度がこれなので、周りもこれ以上は騒がずそれぞれの仕事に戻り始めた。 「じゃあ杉浦、詳細来たら頼むぞ」 船越さんも自分のデスクに戻った。
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