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腰が重い眞辺とは対照的に、橋爪くんは興味津々に飛びつくようにやって来た。
船越さんがメールを確認しているので私は印刷したものを彼に渡した。
「ベニヤ……って言うんですか?」
彼は首をひねった。
「そう、紅屋。老舗の和菓子屋よ」
私が彼に言うと船越さんが振り返り、私に向かってニッと笑う。
「橋爪は知らねえかもなぁ」
紅屋の本店は岐阜県の中津川市で、私と船越さんのゆかりの地にあった。
店構えも大きく、地元では知らない人はいないほどの和菓子の老舗だ。
手土産や進物にもよく使い、白地に金色の家紋入りのあの紙袋は見た目にも上品で地元民には一目であの店のものだと認識される。
四葉エージェンシーからの依頼はその紅屋の商品のパッケージリニューアルだった。
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