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身体に付いた水気を丁寧に拭き取って浴室を出る。
リセットボタンの押された身体はやっと正常に空腹を感知し、タオルで髪の毛を拭きながら冷蔵庫を開けた。
しかし、扉を開けて愕然とする。
中はほとんど空で、すぐに目に付くものと言ったらビールとトマトジュース。
私は現実から目を逸らさんばかりに、そのまま冷蔵庫の扉を閉じてお湯を沸かした。
結局、私が朝食に食べたのはインスタントの春雨スープだけだったが、温かいものを食べると心も身体もホッとする。
こんな時はいつも母の手料理を思い出す。
母は周りにも自慢したくなるような料理上手だ。
そんな母が今の私のこの状況を見たら、きっと呆れるよりも悲しむだろう。
徹夜で朝帰りして、インスタントの食事。
フォークを持つ私の手が一瞬だけ止まった。
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