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「眞辺さん、今回の件は乗り気じゃないんですか?」
ミーティング用のテーブルは丸テーブルで、眞辺と私が向かうように陣取ると、橋爪くんは私寄りの位置で椅子を引いた。
彼と一緒に私も眞辺の返事を待った。
私もずっと同じことを聞きたかったから。
「四葉からの指名ですよ? 自分のデザインが認められたんだから普通ならもっと喜ぶでしょ? 少なくとも僕ならメチャクチャ喜びますけどね。あ、それともホントはうれしいのに照れくさいんですか?」
「四葉、四葉ってうるせーな」
眞辺は椅子に踏ん反り返る。
「あそこがそんなに特別なのかよ。今回が乗り気なんじゃねぇよ。ただこれからまた『今以上に』忙しくなるのかと思ったら気が重いだけだっての」
眞辺が私の視線をすくい取るように無理やり目を合わせた。
「ま、杉浦が全面的にフォローしてくれるらしいから何とかなると、思うけど」
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