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「何となくね」
私も眞辺と同じように醤油を垂らしてご飯と一緒に口に入れた。
「ラッキーカラー身に着けてるといいことありそうな気がするじゃない? 一日をどんな風に過ごすのか、気の持ちようよ。
それに、服の趣味何てどうせ偏っちゃうじゃない。自分の好きな色とか、自分に似合う色とか。
私はそうなりたくないの。
いろんな色が好きだし、何かの色には染まりたくないの」
「……へえ」
眞辺はわかってくれたのか、どうでもよかったのか私をぼんやり見つめながら短い返事をした。
食事を済ませ、身支度を整えると二人でバタバタと部屋を出た。
マンションのエレベーターに乗り込み、扉が閉まると眞辺が口を開いた。
「お前、そのスカーフ……」
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